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新型コロナワクチン「推進派」「懐疑派」論争の違和感の実態とは!? パンデミックから学ぶ、これからの医療情報の見極め方

ワクチンは「思想」ではなく「科学」
先日、ある雑誌から新型コロナワクチンの「推進派」としての意見を聞きたいと取材依頼がありました。しかし、そもそもワクチンは「賛成か反対か」という思想や信条の問題ではありません。年齢や基礎疾患ごとのリスクとベネフィットの問題であり、それはすべての医療行為において同様です。 一部の根拠に乏しい主張を、強固な科学的根拠と同列に「両論併記」することには強い違和感を覚えます。

超過死亡と副反応の正しい捉え方
「ワクチン接種後に死亡者が増えた」「超過死亡の原因はワクチンではないか」という声があります。しかし、時系列的に「接種後」であるというだけで因果関係は証明できません。オミクロン株の流行等で感染者の母数が桁違いに増えれば、致死率が下がっても死亡数の実数は増えます。超過死亡の原因は、コロナの流行そのものや医療・介護体制への負荷と考えるのが自然です。


また、副反応疑いや健康被害救済制度の認定件数も、「ワクチンが原因と確定した数」ではありません。平時でも日本では1日平均約4,400人が亡くなっています。大規模接種を行えば、接種後に別の原因で亡くなる方が一定数出るのは避けられません。もちろん健康被害を訴える方への支援は必要ですが、「ワクチンが原因」と思考停止してしまうと、真の原因を見逃し、適切な治療に繋げられなくなってしまいます。

mRNAワクチンの安全性とメリット
mRNAワクチンという技術自体を危険視する意見もありますが、それは科学的ではありません。mRNAはDNAに組み込まれるものではなく、細胞内で一時的にタンパク質を作らせるものです。 実際に、ワクチン接種が進むにつれて、私の担当する高齢者や基礎疾患のある患者さんたちの間でも、重症化やクラスター、死亡例は目に見えて減少しました。この新しい強力な武器によって、今後インフルエンザやがん治療など、より多くの人が健康上の利益を得られると期待しています。

次のパンデミックに向けて:私たちが得た3つの教訓
今回のコロナ禍から、次に生かすべき教訓は市民、医療者、政府のそれぞれにあります。

1. 市民:「打たないリスク」を考える
ワクチンには副反応のリスクがありますが、感染して重症化したり、周囲の大切な人に感染を広げたりする「打たないリスク」も大きいのです。自分の判断が周囲にも影響することを踏まえて判断することが求められます。


2. 医療者:納得を支える信頼関係の構築
医療者がすべきことは、医学的に正しい情報を一方的に説明することではなく、患者の不安を把握し、納得できる意思決定を支える「共同意思決定」です。


3. 政府:制度変更とリスク変化を混同させない
5類移行時、「コロナは終わった」と社会が誤解するメッセージを出したのは大きなミスリードでした。ウイルスが消えたわけでも、高齢者の重症化リスクがなくなったわけでもありません。不確実性を含めた正確な情報を伝えることが重要です。


信頼は「問題がない」と言い切ることではなく、検証できる制度をつくることで生まれます。これからの時代、医療情報とどう向き合い、どう選択していくか、わたしたち一人ひとりのリテラシーが問われています。

 

      2021年のコロナ「第5波」で悠翔会が立ち上げた、コロナ専従チーム。医療情報が錯綜する中でも、一方的な説明ではなく、常に患者の不安を
      把握し、納得できる意思決定を支える姿勢を大切にしていました

 

参照元URL: https://junsasaki.theletter.jp/posts/3e763455-1d86-4cbb-9d49-2811a16f2a6f 

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