悠翔会だからできること

わたしたちが在宅医療に取り組み始めたのは2006年。これまで延べ20,000名以上の患者さんの診療にかかわらせていただきました。

現在、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)に10以上のクリニックを擁し、医師・歯科医師50名以上、看護師40名以上、診療をサポートするメンバーを含めると総勢約250名で、約4600名の患者さんの療養生活をサポートさせていただいています。

最期まで自宅で過ごしたいと願うすべての人の想いに応えたい。
この想いを実現するために、お一人おひとりの患者さんに確実な診療を届けてきました。

そのような実績の積み重ねにより、悠翔会の各クリニックは機能強化型在宅療養支援診療所※1、在宅緩和ケア充実診療所※2として認められています。

超高齢社会の日本において、在宅医療クリニックに求められる役割は刻々と変化し続けています。

わたしたちは、時代とともに大きく変化する在宅医療のニーズに柔軟に対応しながら、理想の地域医療を追求していきます。

※ 1

機能強化型在宅療養支援診療所とは、在宅医療に専従する常勤医師が複数名勤務している、時間外往診や在宅看取りに対応しているなど、実績がある在宅療養支援診療所に認められるものです。

※ 2

在宅緩和ケア充実診療所とは、上記に加え、緩和医療に習熟した医師が勤務し、高度な緩和医療が在宅で提供できる体制を維持している診療所に認められるものです。

在宅医療の目的は病気の治療だけではありません。

患者さんには「不便や困りごとが増えたとしても自立した生活を継続したい」、「住み慣れた場所で最期まで暮らし続けたい」、「自分らしく、楽しく過ごしたい」というニーズが存在します。

特に、住み慣れた場所で、できるだけ自然なかたちで最期まで自宅で過ごしたいと願う方々は年々増えてきています。
そのような思いに応えることはわたしたちの重要な使命です。

わたしたちは、年間1000名近い患者さんの最期に伴走させていただいていますが、そのうち約7割の方々はご自宅や施設で最期まで生活を継続され、その場所でお看取りをさせていただいています。

「お看取り」とは穏やかな生活を最期まで継続した結果、その場所で最期を迎えることです。

悠翔会では、それぞれのクリニックを隣接させることで、制度上は半径16キロとされている訪問診療圏を3~5キロとし、患者さんのニーズにより迅速に対応できる体制としています。そうすることにより、地域の介護事業所・施設・病院とも密な連携が可能となり、より包括的に患者さんの安心した生活を支えられると考えるからです。ときに入院や検査が必要な際には高度医療機関と連携し、緊急時のバックアップ体制を確保するよう努めています。

わたしたちは、患者さんが暮らすその地域において、健康のこと、医療のこと、介護のこと、何でも最初に相談できる身近なクリニックとして、「安心した生活」を最期までしっかりと支える存在でありたいと考えています。

在宅医療を必要としている患者さんはさまざまな病気や障害を有しています。

悠翔会では、プライマリケア全般に対応できる医師が患者さんの主治医としてしっかりと日常診療を行い、より専門的な対応が必要なケースには、各科の専門医チームや歯科、その他専門職によるチームで診療をアシストしています。

  • 専門医チーム(精神科・心療内科、皮膚科・形成外科、緩和ケア・麻酔科)
  • 歯科・歯科衛生士
  • その他専門職(管理栄養士、理学療法士、作業療法士)

特にわたしたちが、今、力を入れているのは、歯科・口腔ケア、栄養サポート、認知症ケアです。
なぜならば、こうした包括的なアプローチは、患者さんの「その人らしさ」を支え、ご家族やケアスタッフなどの安心や喜びにもつながるものと信じるからです。

高齢者の90%が口腔内にトラブルを抱えているといわれていますが、適切なケアを受けている人はわずか30%未満。
放置された口腔内トラブルは、食べる機能や口腔内環境に悪影響を及ぼし、食事量の低下や低栄養をもたらします。低栄養はフレイル(虚弱)、オーラルフレイル(かむ力の減少)、サルコペニア(筋力減少)を引き起こし、さらには誤嚥性肺炎や転倒・骨折のリスク要因となります。また、このような身体的フレイルや認知症により外出の機会が減ることは、人と人とのかかわりの減少に伴う社会的なフレイルにもつながり、悪循環を生む要因ともなっています。

悠翔会では、主治医が精神科医、歯科医師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士と密に連携し、患者さんの「食べる機能」と「食べる喜び」、さらには地域での生活をしっかりとサポートします。

在宅で療養している患者さんにとって「安心できる生活」と「納得できる人生」とは何でしょうか?

それは「予期せぬ急変におびえることなく、住み慣れた場所で、最期まで穏やかに生活が継続できること」だと考えます。

わたしたちは、自らの社会的責任に対するQI(Quality Indicator) として、「急変を減らす」、「入院を減らす」、「自宅(施設など)で最期まで過ごせる」、この3つを定量的な指標として可視化しています。

また、患者さんの体験価値(Patient Experience)を評価するために、診療態度やスキル、意思決定支援、情報共有・多職種連携、緊急時対応などについて診療満足度調査を実施しています。

これらの客観的データや、患者さんからいただいた声に誠実に対応していくことが、わたしたち自身の成長、診療サービスのさらなる改善につながるものと信じています。

「患者さんのニーズが最優先」

これは悠翔会が生まれるきっかけになった一つの言葉です。

わたしたちが目指すのは、「最高のチーム在宅医療」。
そして在宅医療を通じて、「かかわったすべての人を幸せに」すること。

このビジョンや理念を具現化していくのは、チームのなかの一人ひとりの日々の判断と行動の積み重ねです。

揺れ動く患者さんの想いに応えられるよう、マニュアルやルールで対応するのではなく、わたしたちは「患者さんのニーズが最優先」という価値観を全メンバーで共有し、判断基準としています。

「真のニーズ」は何なのか、それに応えていくために、「わたしたちに何ができるのか?」ではなく「わたしたちはどうあるべきなのか?」を常に意識しながら、日々の診療に取り組んでいます。

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