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AIで医師の仕事は減るのか!? NEJM論文が明かすAI時代の医療の未来
■JUN’s Letter
AIは医療従事者の雇用を奪うのか
AIが医療現場に導入されると医師の仕事が減るのではないかという議論があります。しかし、世界的に権威ある医学雑誌『NEJM(The New England Journal of Medicine)』に掲載された論考では、AIが臨床業務の一部を代替しても、医療従事者全体の雇用が減るとは限らず、むしろ利用が拡大して働く人が増える可能性が指摘されています。
効率化が需要を生む「ジェヴォンズのパラドックス」
その理由の筆頭に挙げられているのが「ジェヴォンズのパラドックス」です。一般的には、効率化によって短時間で診療できるようになれば、必要な医師数は減ると考えられます。しかし、医療が安く、速く、安全になると、これまで存在しなかった潜在的な需要が新たに表面化します。過去に白内障手術や人工関節置換術の手術時間が短縮し安全性が高まった際も、軽症者や高齢者まで治療対象が広がり、結果として手術件数全体が増加しました。AIによって画像診断や早期診断が容易になれば、同様に検査や経過観察の需要が大きく膨らむと考えられます。
AIが「減らす」のではなく「変える」医師の役割
AIは医師の仕事を単純に減らすのではなく、その質と役割を根本から変化させます。AIと重複する作業的業務だけを自らの仕事の価値の中心にしている臨床医は居場所を失う一方で、AIの提示するデータを総合し、患者との対話を通じて意思決定を支え、その結果に責任をもてる臨床医の価値はさらに高まっていきます。「AIに何ができるか」を問う段階はすでに終わり、AIによって生まれた時間や余力をどこに振り向けるかが問われています。
日本の医療制度とAI活用の課題
米国などではAI活用による価格破壊や需要の爆発が起きる可能性がありますが、財政制約のある日本においては、効率化で生まれた供給余力は人手不足や財政の穴埋めに使われる可能性が高いと考えられます。AIがもたらす変化を単なる労働力不足の補填で終わらせるのではなく、患者との対話やケアの質を向上させる機会にできるかどうかが、わたしたちの今後の選択にかかっています。
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