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医療・介護を整理し「本当に大切なもの」をともに探す/西 和男(悠翔会在宅クリニック品川、院長)
2013年4月に悠翔会在宅クリニック品川に入職してから、早いもので13年が経ちました。
当時、患者さんのご自宅で採血や点滴、超音波検査などを行い、「病院で行っているような医療を、自宅でも実践できる」ということに大きな新鮮さとやりがいを感じていました。
今でも忘れられない患者さんがいます。重症の肺炎を患った方に対し、看護師であるご家族と力を合わせ、ご自宅で病院のICUに負けないような医療を行いました。ご家族と相談しながら治療を続け、患者さんの状態が改善した時の喜びは、今でも鮮明に覚えています。
13年前と比べ、在宅医療を取り巻く環境は大きく変わりました。高齢化が進み、おひとりで暮らす方、老々介護、さらには認々介護※と呼ばれるようなご家庭も増えています。医療や介護を支える人が少ない中で、病気を治療するだけでは十分ではありません。
医療や介護、生活にかかわるさまざまなものを整理し、時には簡素化しながら、その人とご家族が本当に大切にしていることを一緒に考えていく。現在の在宅医療には、そうした力も求められていると感じます。
13年経った今も、私が大切にしている思いは変わりません。
「この患者さん、ご家族にとって、本当に大切なものは何だろうか」。
医療者としてだけでなく、一人の人間として、目の前の患者さんやご家族に真摯に向き合うことを大切にしています。
悠翔会在宅クリニック品川には、私を含めて10年以上勤務しているスタッフが多く、わたしたちと同じ思いをもって診療を続けています。
現在は、医師会の理事などを務め、地域医療にもかかわっています。これまでお世話になってきた品川という地域に、これからは医療・介護を通じて少しでも恩返しをしていきたいと思っています。
これからも、患者さんとご家族の「その人らしい生活」に寄り添いながら、仲間たちとともに地域医療に取り組んでいきたいと思います。
※認々介護:認知症の方が認知症の方を介護する状態