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台湾看護師視察受け入れのご報告(2024年3月20~26日)

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台湾看護師視察受け入れのご報告(2024年3月20~26日)

2024年3月20~26日、台湾在宅医療学会理事であり、耆樂股份有限公司という在宅サービスや介護事業を提供する会社のCEOである陳柔謙(Emma Chen)さんが視察にいらっしゃいました。

 

陳さんは「地域の健康ケアのパートナーになりたい」という経営理念を掲げ、10年前から台湾で地域住民の健康づくりに取り組まれています。
当法人が提供しているさまざまな医療と、情報共有や連携の方法などを知り、ご自身の研究に活かしたいとのことでした。

 

当法人で取り組んでいる通常の訪問診療、夜間緊急対応、訪問栄養指導、訪問看護に同行していただきました。

 

まず、悠翔会在宅クリニック稲毛にて、理事長の佐々木淳の診療同行で実際の訪問診療の流れを見ていただくとともに、佐々木から法人全体の取り組みをご説明いたしました。

 

2日目は、当法人の夜間救急対応を見学。
Okitell365での受電から往診に至る一連の流れを解説するとともに、往診時に必要となる物品等をご紹介しました。

 

3日目は、訪問栄養食事指導のルートに同行していただきました。
看護師である陳さんは、糖尿病の患者さんなどに食事指導もされているとのこと。
特に糖尿病患者に対する指導に使用しているアプリでは、血糖値が上がると即そのデータが共有できるため、その場で食事についての注意喚起を行っているとのことでした。
また、日本で販売されている介護食を試食していただいたところ、おいしさに驚かれていました。

 

台湾の高齢者は、加工した食事を摂ることに抵抗があるとのことで、なるべくとろみ剤などは使わずに、介護食が必要な場合はご自身の家でフードプロセッサーなどで調理する場合が多いそうです。
文化的な背景の違いを知ることができ、わたしたちにとっても勉強になりました。

 

4日目はあいにくの雨でしたが、訪問看護のルートについていただき、自転車で患者さんのお宅を回りました。
看護師とは主に英語でのコミュニケーションでしたが、英語が堪能な患者さんがいらっしゃり、突然英語で話しかけてきてくださるということも。
患者さんにとってもうれしいひとときとなりました。

 

最終日には、当法人の歯科医師、管理栄養士、訪問看護師とディナーパーティーを開催。
今回、歯科ルートへの診療同行はありませんでしたが、食事会での会話で、台湾と日本の歯科に対する意識には違いがあることを知りました。

 

台湾では訪問歯科は行われていないとのことで、高齢者は歯磨きなどにも関心が薄く、食事を摂っていないのであれば歯磨きは不要という考えだそうです。
逆に、今の子どもたちは「予防」の考えが一般的になっており、年代により歯の健康に対する意識が変わってきているとのことでした。

 

今回の視察が、台湾での陳さんの取り組みの一助になればと思います。
台湾の実情をお聞きでき、文化の違いなども学べる機会となりました。

 

おつなぎいただきました台湾在宅医療学会理事長の余尚儒先生、貴重な機会をありがとうございました。

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