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ホスピス型住宅の“抜け穴”の実態とは!? 制度ハックを許さない、悠翔会の「連携の条件」とあるべき在宅医療の姿
■JUN’s letter
ホスピス型住宅の「正常化」と、新たな“抜け穴”
近年、全国で15万床と急増している「ホスピス型住宅」。潤沢な訪問看護報酬を背景に急成長してきましたが、中には過剰・不正な請求や、入居者を自社の訪問看護ステーションに囲い込み、主治医に虚偽の指示書記載を強要するといった不適切な運営も指摘されてきました。
事態を重くみた厚生労働省は、2026年6月から、ホスピス型住宅における訪問看護の算定方法を大きく変更しました。時間単位の出来高か、包括報酬のいずれかを選択させることで、過剰な請求を抑え込む「正常化」を図ったのです。
「急変させれば儲かる」という異常なインセンティブ
ところが、新制度が始まるのを前に、不穏な動きが見え始めています。「包括報酬」を選択した場合でも、緊急訪問は出来高で算定できるというルールの“抜け穴”を狙う事業者が現れたのです。
先日、ある事業者から「あらかじめ定めた条件に合致したら急変とし、医師に電話をするので緊急訪問指示を出してほしい。その記録を翌日送ってほしい」というお手紙を頂戴しました。これは真の緊急性に基づかない形式的な要請であり、かつて問題視された「1日複数回の訪問指示を書け」という要求と本質的には変わりません。
わたしたちの存在意義は、日々の丁寧なアセスメントと計画的なケアを通じて急変を減らし、患者さんを心身ともに安定した状態に保つことです。「急変させれば収入が増える」というインセンティブのもとで動く事業者と、本当の意味での連携などできるはずがありません。
医療は「取引」ではない
もちろん、高い志をもち、すばらしいホスピスケアに取り組む事業者もたくさんいます。しかし残念ながら、患者さんの人生を「商品」と捉え、医師との連携を単なる「取引」と考える事業者がいることも事実です。
目先の利益に捉われた不適切な運営が広がれば、結果的にルールがさらに厳格化され、真面目にケアをしている優良な事業者が苦しみ、患者さんの選択肢が奪われてしまいます。わたしたちは、患者さんの尊厳や生活の質を脅かし、社会保障という公共の仕組みを歪めるような「取引」には一切応じません。
私たちが連携パートナーに求める「3つの基本姿勢」
こうした事態を受け、悠翔会では連携先事業者の皆様に向けた「緊急訪問看護加算に関する基本方針」を策定・共有しました。わたしたちが重視するのは以下の3点です。
1. 患者利益を最優先とすること
2. 法令・制度趣旨を遵守すること
3. 多職種で誠実かつ透明性の高い連携を行うこと
緊急訪問看護加算は、算定要件の形式的な充足のみを目的として運用されるべきではありません。わたしたちはこれからも、この価値観を共有できる地域のパートナーの皆様とともに、理想の在宅療養支援の実現を目指し、社会から信頼される医療・ケアの提供者でありたいと思います。