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フットワーク軽く地域へ赴き、患者さんの想いを丁寧に拾う/島田 和奏(悠翔会在宅クリニック北千住、MSW)

■となりのゆうとくん

 

――仕事の内容を教えてください。
病院やケアマネジャーさんからの窓口となり、新規の患者さんの受け入れ調整を行っています。診療チームが初診からスムーズに介入できるよう、事前に情報を集めて共有する役割です。また、入院が必要になった際には看護師と連携して調整を行い、退院後にご自宅へ戻るための再調整も担います。退院後に「ご自宅でうまく生活できそうか」という点は、常に気にかけています。新規の訪問時の面談や契約手続きの際には、お家の様子やこれまでの経過をじっくりとお聞きするほか、退院前カンファレンスやサービス担当者会議など、地域へも積極的に足を運んでいます。

――仕事をするうえで、特に気を遣う点、難しさを感じる点はありますか。
初対面の方とは、まずはよい関係を築けるよう、相手に合わせたかかわり方を意識しています。丁寧で堅い接し方に安心される方もいれば、親しみやすい接し方のほうが緊張のほぐれる方もいます。実際にお会いした雰囲気をみながら、アプローチを変えています。

難しさを感じるのは、ご本人とご家族の意向が異なる場面です。認知機能の問題などで状況を十分に理解できていない場合でも、ご本人の希望は決してないがしろにできません。両方をどう尊重するか、院内や地域の支援者と情報を共有して、チームで方針を相談しています。

 


島田 和奏(悠翔会在宅クリニック北千住、MSW)

 

――印象に残っている患者さんやご家族について教えてください。
皆さん印象深いのですが、ご家族が多いからこそ、意見のすり合わせに時間を要したケースがあります。「何でもして長生きしてほしい」と願うご家族と、「負担を減らし穏やかに過ごさせたい」と考えるご家族、どちらも患者さんへの強い想いゆえの葛藤です。

逆に、認知症で独居の身寄りのない方の自宅へ訪問し、生活状況の確認や、ポストに届いていた郵便物の整理を一緒にしながら診療継続につなげたこともあり、印象に残っています。ご本人の話もその場その場で変わり、難しさはありましたが、それでも訪問診療に入ることの意義は大きい方だったと思います。どんな背景をもつ方であっても手探りで寄り添うことは、法人の理念にもつながると感じています。


――地域連携にも力を入れているとのこと、どのような活動をしていますか?
在宅医療は地域で暮らす患者さんのご自宅へうかがうことが前提なので、地域のケアマネジャーさんや訪問看護さんとのつながりはとても大事にしています。カンファレンス等に声をかけていただける期待に応えるためにも、積極的に顔を出すようにしています。退院前カンファレンスやサービス担当者会議はもちろんですが、病院や地域包括支援センターが複数の事業所に呼びかけて開催する会議にも参加し、孤立している方への支援を一緒に考えています。

――前職と、在宅医療に興味をもったきっかけを教えてください。
2025年春に悠翔会に入職する前は、精神科の急性期病院で約6年間、ソーシャルワーカーとして勤務し、病棟やデイケア、グループホームなどを担当していました。

高齢者だけでなく若い患者さんも多くいらっしゃいましたが、精神科という特性もあり、家に帰りたいという方でも、さまざまな要因で環境の調整がスムーズにいかず、病院の中からのアプローチだけでは解決できないもどかしさを経験しました。病院ができることには限界があり、地域との協力が不可欠であると学ぶ中で、より生活に密着した現場で、地域と連携しながら患者さんを支える在宅医療に挑戦したいと考えました。

転職活動の中で悠翔会を知り、規模の大きさや、24時間対応への取り組みに安心感がありました。「かかわったすべての人を幸せに」という理念に惹かれたことも、入職を希望したきっかけです。

 


 

――働きやすさや仕事のやりがいは、どういったところにありますか。
「患者さんの生活のすぐ側に行ける」という、自分が本当にやりたかった仕事ができている喜びを日々感じています。職種の垣根なく相談しやすい雰囲気で働きやすいと感じます。

学生時代の実習で指導者の方から「ソーシャルワーカーは傾聴だけでなく、自ら関係を築くための『話し上手』であることも大切」と言われたことがありました。相手の言葉を待つだけではなく、こちらから上手に働きかけ、信頼関係をつくっていく点に、この仕事のおもしろさを感じています。

やりがいは、やはり地域の方々と密に相談しながら、患者さんの生活をすぐ近くで支えられることです。ご自宅にうかがうことで初めて見える、その方らしい暮らしのこだわりや想いをチームに共有し、職種の壁を超えて一丸となってサポートできることに、何より手ごたえを感じています。

――法人内で、ソーシャルワーカー同士のつながりはあるのでしょうか?

はい、近隣の拠点(北千住、城東、葛飾など)のソーシャルワーカーと月に1回、ミーティングを行っています。業務での些細な疑問や、「こういうケースはどうしている?」といった相談を気軽に話し合える場です。普段からチャットでも活発にやり取りをしています。エリアが近いため、地域の状況が似ており、具体的で的確なアドバイスをもらえるので心強い仲間たちです。基本はオンラインですが、定期的に対面で集まる機会もあり、他拠点の雰囲気を知ることができるのも、よい刺激となっています。

――今後取り組みたいことを教えてください。
入職から丸1年が経ち、ようやく業務の流れが身体に馴染んできました。これまでは目の前の業務をこなすことで精一杯でしたが、これからはクリニックや地域に対してできることを、主体的に開拓していきたいと思っています。今年度からもう一人ソーシャルワーカーが入職し、念願の二人体制となりました。お互いの得意分野を補い合いながら、法人理念の実現に取り組んでいきます。

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