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「急変」は事前に防げる!? 年末年始537件の緊急対応データが示す、在宅医療の「伸びしろ」とは
■JUN’s letter
年末年始の総括:537件の対応と46名の旅立ち
まずは年末年始(12月26日~1月5日)の総括をご報告します。 首都圏では常時最大7人の日直・当直医を配置し、それ以外の地域でも24時間のオンコール体制で対応しました。期間中の総緊急対応件数は537件(うち往診231件)、そして46名の方の臨終の場に同席させていただきました。
「備え」があれば急変は減らせる
データを分析して見えてきたのは、お看取りを含めても「急変」の発生頻度が平時の68.8%、入院発生頻度も平時の60.0%に抑制されていたという事実です。これは、年末年始に患者さんが急変しないよう、事前に十分な備え(予測的な医学管理や薬の調整など)を行ったことが奏功したと考えられます。逆に言えば、これを日ごろから徹底できれば、平時の「急変」もさらに減らせる可能性があるということです。
救急搬送の「20件」に潜む課題
一方で課題も見えました。救急搬送が必要と判断した85件のうち、20件は入院とならずに帰宅されています。この「入院に至らなかったケース」については、我々医療者側の判断やかかわり方で救急要請を回避できた可能性があります。個別に精査し、フィードバックを行うことで、さらなる質の向上につなげたいと思います。
「電話以上・往診未満」を埋めるオンライン診療
今後の戦略として重要になるのが「オンライン診療」です。 現状、電話再診では不安だが往診するほどでもない…というニーズに対し、基本的には往診で対応しています。ここにオンライン診療を導入できれば、医師の移動負担を減らしつつ、患者さんにはより迅速で的確な臨床判断を提供できます。 双方にメリットがあるこの仕組みを、今後本格的に進めていく方針です。
変わらない「在宅医療」への期待
医療を取り巻く環境は急速に変化し、都市部と過疎地では運用も異なります。しかし、在宅医療に対する本質的な期待は変わりません。それは、「病気や障害があっても、自分が選んだ場所で、安心して生活を継続したい」という願いに応えることです。これは日本で暮らすわたしたちが持つ基本的人権の一つでもあります。
今年も「機能する在宅医療」の提供を通じて、しっかりと責任を果たしていきたいと思います。