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高齢者専用救急病院は本当に必要なのか!? 在宅医療の現場から問う「ケアニーズ」の構造改革
■JUN’s letter
「救急医の悲鳴」と在宅医療が直面するジレンマ
SNS上で救急医から「在宅医は何をしているんだ」と怒りの声が上がり、「高齢者専用の救急病院を作れ」という提言まで出される状況を、私は複雑な思いで見つめています。超高齢者の「医療ニーズ」を分解すると、その過半は介護力不足や不安といった「ケアニーズ(社会的ニーズ)」です。悠翔会の分析でも、在宅患者の緊急入院の約40%は医学的には十分に回避可能なものでした。わたしたちが現場で提供できるのは「医療」であり、回避可能な入院を防ぐために真に必要なのは「ケア」の提供体制なのです。
病院が入院を受け入れ続けることの弊害
多くの在宅患者が「できれば入院したくない」と意思表示を始めています。しかし、急変時や不安定な時期を支える代替選択肢が地域にないため、現時点では入院しか選べない現実があります。さらに、逆説的ですが、病院がこの社会ニーズに対応し続けているからこそ、地域でのケア提供体制が育たないという構造問題が存在します。「病床が空いているから入院させればいい」という発想が、地域で支える力を奪ってしまっているのです。
柔軟なケアを拒む制度的・経営的限界
急変時の一時的なケアニーズに対応する仕組みとして、看護小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスが存在します。たとえば軽症の肺炎であれば、看護と泊まりを組み合わせて自宅や施設でケアを継続し、望まぬ入院を回避できます。しかし、実際に経営してみると、現在の介護報酬は極めて厳しく、急変に備えるための人的・経営的余裕は全くありません。結果として多くの事業所が固定的なプランの提供にとどまり、不安定な患者に十分対応できていません。
病床中心から「患者中心」の再構築へ
高齢者専用の救急病院を作ることは、根本的な解決になりません。急性期病院に入院した高齢者は、環境の変化やベッド上安静によって身体機能や認知機能を低下させ、自宅に帰れなくなるリスクを抱えます。問われているのは、病床稼働率を維持するための医療ではなく、患者の真のニーズを中心とした提供体制の再構築です。今ある病床をどう埋めるかという発想を捨て、地域で生活と治療を両立させる真の患者中心医療へ転換することが求められていると考えます。
参照元URL:
https://www.facebook.com/junsasakimd/posts/pfbid0VJxSMTxGMyXHKRmHRPm7BgF1fCuie9sqXngDnFuse9cHBN93mj7TbdxtQpbwBvLel