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医療ファストパスは本当に必要か!? 追加料金で待ち時間を短縮する違和感と受診過多の根本原因

■JUN’s letter

 

    お金で順番を買う「医療ファストパス」への違和感


追加料金を支払うことで外来の待ち時間を短縮できる「医療ファストパス」が導入され、好評を得ているというニュースを目にしました。時間をお金で買う発想自体は一理あるように見えますが、私は強い違和感を拭えません。


一つ目の違和感は、公的医療においてトリアージなどの「医学的必要性」ではなく、「追加の支払い能力」という軸で優先順位を決めてよいのかという点です。現在は数百円のサービスであっても、この原則を許容していけば、将来的に高額な料金を支払える人が優先される医療アクセス格差へと拡大しかねません。実際にファストパスが普及しているオーストラリアでは、手術の待機時間に大きな格差が生じているというデータもあります。

 


    そもそも、なぜこれほど外来が混雑しているのか


もう一つの大きな違和感は、ファストパスを購入したくなるほど外来が混雑しているという「構造的課題」そのものに向けられています。OECDの比較データによると、日本人の年間平均受診回数は12.1回と、加盟国平均(6.7回)のほぼ倍に達しています。


受診回数がこれほど多い背景には、安定した慢性疾患患者の頻回受診、軽症でも手軽に受診できるフリーアクセス、そして受診回数が増えるほど収入になる出来高払いの診療報酬制度という三つの理由が存在します。高血圧などの慢性疾患が安定している場合、海外の研究が示すように診察間隔を広げても治療効果や安全性に差はありません。軽症者についても英国のように薬局や薬剤師の機能を活用することで、医療機関への過度な集中を避けることが可能です。

 


    「かかりやすくする」から「かからなくてもよくする」へ


混雑しているからといって「急ぎたい人は追加料金を払ってください」という仕組みを作るのは、本質的な解決にはなりません。必要なのは、ファストパスを増やすことではなく、無駄な受診を減らして一人ひとりの診療に十分な時間を確保できる「プライマリアクセス」の改革です。


軽症者はまず薬局を活用し、安定した慢性疾患は診察間隔を適正化する。受診回数を適正化できれば外来需要は大幅に減り、医師は時間を本当に入念なアセスメントが必要な患者へ集中できるようになります。「かかりやすくする」ためのファストパスではなく、「そもそも毎回病院にかからなくてもよい仕組み」を整えることこそが、わたしたちの目指すべき方向ではないでしょうか。

参照元URL:佐々木淳 facebookより

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