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開設3年で「離職者ゼロ」の実態とは!? 石垣島・とぅもーる診療所のリーダーが実践する「誰もが安心して話せる職場づくり」

山下朝美(とぅもーる診療所、HCA(現:事務長))

 

「誰もが安心して力を発揮できる職場にしたい」

悠翔会の現場で理念を体現するスタッフに焦点を当てる「となりのゆうとくん」。今回は、沖縄県石垣市にある「とぅもーる診療所」でリーダーを務める山下朝美のインタビューから、チームづくりの工夫や仕事への想いを紐解きます。

山下は臨床現場や医療機器企業、そして看護専門学校での10年間にわたる教員経験など、多様なキャリアを歩んできました。オープニングスタッフとして診療所の立ち上げから携わり、現在は看護師リーダーとして現場とチームを牽引しています。
彼女が日々意識しているのは、「ここで働くみんなが、無理なく安心して力を発揮できる環境をつくること」です。

 

話しやすさこそが「医療安全」の基盤

離島の在宅医療現場では、限られたリソースの中で多職種が連携し、刻一刻と変化する患者さんの状態に対応する必要があります。だからこそ、山下はコミュニケーションのあり方を非常に重く捉えています。
「悩みや気になることがあった時に、遠慮せず気軽に電話や相談ができる関係性でありたいと思っています。『話しやすい』ということは、単なる居心地の良さだけでなく、医療における一番の安全基盤なんです」
また、スタッフ一人ひとりの生活や家庭の背景にも温かい眼差しを向けます。「家庭や育児など、誰もがそれぞれ頑張っている背景があります。お互いの状況を尊重し合い、比較して責めたりしない風土を大切にしたいですね」。こうした細やかな配慮が、チーム全体の心理的安全性を高めています。

 

個の成長に寄り添う「伴走者」としての視点

10年間の教育現場での経験は、現在のチームマネジメントにも大きく活きています。山下は「働きやすさ」だけでなく、スタッフが「成長感」や「自分の仕事への誇り(所属感)」を感じられるような関わりを意図して行っています。

目標への伴走と視野の提示:期の初めに共有した個々の目標に対し、達成に向けたフォローを実施。「こうなりたい」という想いを受け止めつつ、その先にある新たな挑戦の可能性を示して視野を広げるサポートを行っています。

肯定的なフィードバック:「あなたの関わりのおかげで患者さんがとても安心していたよ」「地域からの信頼が高まっているよ」といった具体例を交えたフィードバックを伝え、仕事への手応えを実感できるよう促しています。

強みを活かせる役割づくり:作業療法士(OT)など異なるバックグラウンドを持つスタッフに対しても、その専門性や強みをのびのびと発揮できる環境を整えています。

 

 

職種の枠を超えて助け合う「島ならではの連携」

離島医療では、医療資源に限りがあるからこそ、職種の厳密な線引きにとらわれない柔軟な協力が欠かせません。「島だからこそ、お互いに補い合えばいい」というスタンスのもと、日々の診療や夜間のコール対応においても、全員が同じレベルで患者さんの情報を共有・把握する体制を整えています。
「自分が前に出るというよりも、スタッフみんなが自信を持って前に出て活躍してくれる姿を見るのが何より嬉しいですね」と語る山下。

 

チームの安心感が、地域への確かな価値になる

スタッフ同士が互いをリスペクトし合い、安心して相談できる環境があるからこそ、その温かく確かな空気感はそのまま患者さんやご家族、地域の多職種への誠実な対応へとつながっていきます。
教育と現場の経験に裏打ちされた真摯なアプローチと、仲間を深く尊重する山下の眼差し。それが、とぅもーる診療所を支える強い絆と、石垣島の地域医療への深い安心感を生み出しています。

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