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さまざまな関係者の“ハブ”として、診診連携をコーディネート / 滝 麻里(メディカルインフォマティクス株式会社救急診療サポートチーム、看護師)
■となりのゆうとくん
ーー救急診療サポートチームの仕事について教えてください。
わたしたちの仕事は、悠翔会のクリニックと連携先クリニックの診診連携のコーディネートです。その一環として、法人内のクリニックの患者さん、また、近隣の提携先クリニックの患者さんを対象に、夜間診療のサポートを担っています。拠点は新橋、川口、横浜の各クリニック内3カ所にあり、夜間はそれぞれの拠点にチームのメンバーが待機しています。往診の要請があれば、当直医師を乗せた車を運転して患者さんのもとへ向かい、カルテの記載、物品の管理等を行います。
夜間、最初の窓口となるコールセンター・Okitell365は、仕事をするうえでのチームの一員として欠かせません。ご家族等から電話が入ると、研修を受けたOkitell365のスタッフが、医療的な対応が必要となる問い合わせについてはコールセンタードクターと呼ぶ医師につなぎます。コールセンタードクターが往診が必要と判断すれば、救急診療サポートチームの出動となります。
連絡を取り合う相手の幅広さも特徴で、患者さん・ご家族のみならず、施設の職員、警察署、連携病院の医師や看護師などとも連携しています。
勤務体系は人によって異なりますが、夜勤が月に10~11回ほどで、基本的には「夜勤・夜勤明け・休み」の3日サイクルを繰り返すかたちです。私は子どもがまだ小さいため、夜勤は月に6回程度で、そこに日勤を組み合わせています。
ーーチームには、滝さんのように看護師が多いのですか?
現在、チームには3名の看護師と1名の救急救命士が所属していますが、そのほかは特別な資格をもたないメンバーです。仕事では当直医師と二人一組となり、「夜間HCA(ホームケアアシスタント)」として働いています。
資格にかかわらず、個人の能力をできるだけ発揮できるようにするため、医療従事者から学ぶ研修や勉強会も行っており、夜間HCAとしての質を高める取り組みを進めています。

ーー仕事をするうえで、大切にしていることを教えてください。
大切にしていることは三つあります。
一つ目は、コミュニケーションです。わたしたちのチームは、法人の各拠点や連携先、当直医師など、さまざまな人の“ハブ”として機能しているというイメージをもっています。接点のある方々と顔見知りになっておくことで、何か問題が起きたときにも相談がしやすくなり、話がとてもスムーズになります。
組織として課題を解決したいときや、エリアを越えて協力し合いたいときにも、情報がダイレクトに入ってくるこの立ち位置は重要で、迅速なやり取りが可能です。だからこそ、コミュニケーションを最も大事にしています。
二つ目は、できる限り多くの情報を得たうえで患者さんを訪問することです。訪問前には、カルテはもちろん、道順や家の場所も念入りに確認し、移動中も当直医師と、患者さんの情報を整理しながら向かいます。到着後の第一声で安心感をもっていただけるよう、声のトーンや話し方にも気を付けています。
三つ目は、仕事とプライベートのバランスです。このチームは風通しがよく、「これをやってみたい」「こういうものを取り入れたい」という意見も聞いてもらいやすい環境です。もちろん、その分しっかりがんばる必要はありますが、前向きに働ける職場だと感じています。
休暇の希望も通りやすく、仕事とプライベートの切り替えがしやすい仕事です。しっかり働き、きちんと休む。そのバランスを大事にしています。
ーー前職について教えてください。
悠翔会への入職までに、2ヵ所で勤務していました。
1ヵ所目は内科・小児科の混合病棟で、14年間勤務していました。救急車を断らない方針だったので、常に救急搬送や入院対応がある病院でした。大変ではありましたが、仲間に恵まれていて、看護師という仕事が好きだと改めて感じられる職場でした。
2ヵ所目は自宅近くの中規模の病院で、HCUに勤務していました。定時で退勤できる病院だったのですが、患者さんとの向き合い方に違和感を覚えることが多く、自分には合わないと感じるようになりました。
そんなときに声を掛けていただき、最初は在宅医療のイメージがもてずにお断りしたのですが、思い切って転職を決めました。
入職してみると、まずチームのメンバーの雰囲気がとてもよく、当直医師の先生方にも恵まれていました。そして、夜間にさまざまな患者さんのもとへ行き、その場その場で起こることに対応していく仕事は、とてもやりがいがありました。そうした働き方が自分には合っていたのだと思います。気付けば入職から5年が経ちました。

ーー仕事のやりがいを感じるのは、どのようなときですか。
一つは、緊急往診に向かった先で、「来てくれて助かった」「ありがとう」と言っていただけたときです。わたしたちが訪問するだけで安心していただけることも多いので、その言葉はとても励みになります。
もう一つは、緊急対応の要請が多い夜に何人もの患者さんに対応し、無事に終えられたときです。「やり切った」という達成感があります。
さらに、プライベートの時間がしっかりとれることも、自分にとっては大きなやりがいにつながっています。一度リセットしてから仕事に向かえるので、気持ちに余裕をもって働くことができています。
ーー入職後は、プライベートの変化も大きかったのですよね。
はい。以前の病院に勤めていたときは、朝から気持ちが重く、子どもにも余裕をもって接することができませんでした。
現在は通勤に片道1時間半ほどかかりますが、それでも不思議とストレスに感じません。むしろ充実しています。子どもにも、「今日も仕事だからね」と穏やかに声を掛けて家を出られるようになりました。本当に大きな違いです。
子どもは今、小学校3年生でサッカーに夢中です。夜勤明けに公園で一緒にサッカーをすることもあります。気持ちと時間のゆとりがあるからこそ、できることだと思っています。
ーー今後の目標を教えてください。
救急診療サポートチームは、今後エリアや拠点の拡大も検討しています。そのため、まずは現状の体制を見直し、チームとしての質をしっかり整えていきたいと思っています。
以前から希望していた佐々木淳理事長と当直医師の親睦会も、最近実現し、お互いへの理解が深まりました。顔の見える関係は、やはりとても大事です。
個人の目標としては、“救急診療サポートチームの滝”をさらに知っていただき、「困ったことがあったら、あの人に相談しよう」と気軽に連絡をもらえるような存在でありたいと思ってます。

滝 麻里(メディカルインフォマティクス株式会社救急診療サポートチーム、看護師)