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「なんちゃって急性期」が絶滅する!? 診療報酬改定が突きつける“本物の医療”への選別

■ JUN’s letter

国が示した「選択と集中」の明確なメッセージ
診療報酬改定の答申が発表され、具体的な点数が明らかになりました。 全体として抑制が強い中、在宅医療も入院医療も「本当に必要な患者に、必要な医療を集中する」という国の明確な意思表示を感じる、厳しい内容となっています。

在宅医療に関して、特に重要だと感じた4つのポイントをまとめました。

 

1. 24時間対応が「自前」でできているか
機能強化型の要件として「日ごろの訪問診療をしている主治医が連続した24時間勤務を」という原則が示されました。診療チームの一員として機能する非常勤医師による対応は許容されそうですが、休日夜間対応を外部の代行業者に「丸投げ」しているクリニックは、体制の見直しを迫られます。

2. 「重症患者」にしっかり対応できるか
高度な在宅がん緩和ケア等を評価していた加算が「在宅医療充実体制加算」へと名称を変え、がん以外の高度な在宅医療も評価対象となりそうです。しかも、加算額はこれまでの2倍という大盤振る舞い。「重症患者に高度な医療を提供し、安易に入院させるな」という強いインセンティブが働いています。

3. 「軽症ばかり」のクリニックは報酬半減
重症患者の割合が少ないクリニックに対しては、軽症患者への月2回の訪問診療が認められず、月1回分しか診療報酬が支払われなくなります。「軽症患者ばかりを集める」摩訶不思議なクリニックは、事実上の報酬半減となります。

4. 看護師訪問+遠隔医療の評価
医師の手が回らない部分をカバーする仕組みとして、看護師が患者宅を訪問し、医師のオンライン診療を補助する仕組み(訪問看護遠隔診療補助料)が新たに評価されました。的確なアセスメントと迅速な処置を可能にし、医師の訪問依存度を下げる布石になると考えられます。

 

「なんちゃって急性期」の終焉
在宅医療の「蛇口」が閉められるかたちになった病院側も、極めて厳しい状況です。 急性期一般入院料を維持するための「看護必要度」の基準が引き上げられ、重症患者の定義も厳格化されました。要介護高齢者の肺炎や尿路感染症などでベッドを埋めていた「なんちゃって急性期」病棟は、急性期の看板を下ろすことになります。 同時に、地域包括ケア病棟や回復期リハビリ病棟も基準が厳格化され、ただ寝かせておくだけの病棟は退場を迫られます。

 

僕らがやるべきこと
「ときどき入院、ほぼ在宅」などと、ほのぼのしたことはもういっていられません。軽症患者は、急性期病院にとってすでに“おいしくない”存在なのです。 制度の制約が強まる中、在宅医療に求められているのは「主治医機能」を強化し、多職種で連携して重症・急性期・終末期をしっかりと自宅でケアすることです。在宅療養継続の限界点を上げていくために、僕らはがんばるしかありません。

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