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「24時間365日、僕が診ます」は危険な自己満足!? 在宅医療が「チーム」であるべき本質的な理由

「一人で24時間」の限界と自己満足
11年前、2015年の僕のプレゼンです。

https://www.youtube.com/watch?v=Zxj7YZLQDzA

当時はまだ往診代行業者など存在せず、仲間を増やし、医師同士で助け合うことを目的にしていました。 僕自身、かつて5年半にわたり一人で24時間対応を行いました。夜中に患者さんに呼ばれ、問題を解決し、感謝される。その高揚感や、「自分がいなければ」という使命感の気持ちよさは、僕もよく理解しています。
しかし、今はそれが「ある種の自己満足」ではないかと考えています。 あなたが何一つ見逃さず、すべてに完璧に対応できるスーパードクターでない限り、一人の医師の体力と能力だけに依存する医療は、患者さんにとってリスクになり得るからです。

 

なぜ病院はチームで、在宅は「個」なのか
病院では、診療の質が主治医一人の能力や体力に左右されるのを防ぐため、チーム医療が推奨されています。しかし在宅になると、なぜか「主治医が自ら24時間対応すること」が求められがちです。 重要なのは、「あなたでなければできない仕事」をすることではなく、「あなたでなくてもできるように、日ごろから準備しておくこと」です。 誰が対応しても、同じように患者さんやご家族に安心感と納得感を提供できるように、情報を共有し、信頼関係をチームで構築しておく。これが悠翔会が目指してきた「チーム在宅医療」です。


「任せる」ことで診療の質が上がる
実は、チーム制には意外なメリットがあります。「今夜は自分が対応するわけではない」「誰か別の医師がカルテを見るかもしれない」。そう考えると、病歴の記載はおのずとわかりやすくなり、急変時の事前指示なども充実します。適度な緊張感が生まれ、結果として平時の医学管理の質が向上するのです。


「個人の献身」から「仕組み」へ
国が、単なる往診代行業者への丸投げを良しとしないのは理解できます。しかし、医師の働き方改革が進む中、個人の献身に依存する24時間体制は持続可能ではありません。「主治医個人」が24時間縛られるのではなく、「主治医機能」としての連続性を担保するチーム体制の構築こそが、インフラとしての在宅医療には求められているはずです。

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