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「ビジネス在宅」ついに終焉へ!? 厚生労働省が突きつけた“制度ハック”への厳しい審判
■JUN’s letter
「診療報酬のビジネスモデル化」は許さない
今回の改定議論から、厚生労働省の並々ならぬ決意を感じます。 在宅医療の領域では、これまで「制度ハック」とも言える手法で収益を上げてきた以下の3つのモデルに対し、極めて厳しい是正措置が示されました。
1. ホスピス型住宅:甘い汁は吸わせない
出来高で算定するか、包括型を選択するかの「二者択一」が迫られます。出来高での過剰な訪問看護算定にメスが入り、大幅な減収は避けられないでしょう。また、訪問看護報酬を家賃のディスカウント原資に充てる行為も明確に禁止されました。
2. 往診代行サービス:名ばかりの24時間対応を排除
「夜間当直代行サービス」を利用し、その都度非常勤医を配置するだけの体制は、在宅医療の「24時間対応」として認められない可能性が出てきました。休日夜間の緊急対応であっても、主治医機能としての連続性が求められるという、至極真っ当な判断です。
3. 軽症×多数回訪問:過剰診療への減算
前回改定での「施設あわせ」減算に続き、今回は「軽症患者を中心に複数回の訪問診療を提供しているクリニック」が実質的な減算対象となりそうです。必要な医療ではなく、点数を稼ぐための訪問は淘汰されます。
「栄養ケア」は大きく進化
一方で、真に必要なケアには手厚い評価がつきました。特に「栄養」領域の進化は画期的です。
• 嚥下調整食への加算:手間とスキルを要する嚥下食が、ようやく治療食とは別枠で評価されます。
• 「食止め」を防ぐ:嚥下機能回復体制加算が見直され、安易な絶食ではなく、栄養・口腔・リハビリテーションの一体的ケアで「口から食べる」ことを支援する体制が評価されます。
• 退院後の訪問栄養食事指導:高齢者の再入院を防ぐため、退院直後に管理栄養士が集中的に訪問支援できる仕組みが整います。
国が示した「あるべき姿」
今回のメッセージはシンプルです。「ビジネスをやりたいなら制度外で」。 真面目に地域医療を支えてきた事業者にとっては、こうした「ビジネス在宅」の巻き添えで業務負担が増える側面もありますが、ニーズ(必要な医療)とデマンド(需要喚起された医療)が明確に区別された点は評価すべきでしょう。
栄養ケアが病院から在宅へと連続する支援の柱として位置づけられたことも含め、医療が本来の役割を取り戻すための大きな一歩となることを期待します。
