ニュースレター

診療同行看護師の役割とは? 患者さんの思いを拾い、つなぐ「HUB」

2026年9月10日、悠翔会の法人内カンファレンスとして、悠翔会在宅クリニック北千住が「診療同行看護師の役割って?~難病をもったお一人暮らしの患者さんの意思決定支援に向けて投げかけと振り返り~」をテーマに発表しました。

 

 

症例は、ALアミロイドーシスと末期腎不全を抱える59歳女性。自宅療養への強い希望を持ちながら入退院を繰り返し、病状の進行に伴って有料老人ホームへ入居しました。維持透析は拒否する一方で治験は継続したいなど、本人の中には複雑な思いがありました。
悠翔会在宅クリニック北千住では、家族の不安をケアマネジャーや訪問看護につなぎ、ショートステイや施設入所へ接続できたこと、また飲水・点滴を拒否する本人と話し合い、納得できる点滴投与基準を設定できたことを「できたこと」として振り返りました。

 

一方、課題として残ったのは「本人の内面にどこまで踏み込めたか」です。もともと食べることが好きだったにもかかわらず、その事実を把握できたのは施設入所後でした。「食べたいのに食べられない」という葛藤の背景に、食べることが本人にとってどんな意味を持つのか。限られた診療時間の中で、そこまで問いかけることを躊躇していたのではないかと振り返りました。

 

そこから見えたのが、「情報をどう拾い、どうつなぐか」という共通の課題です。患者さんや家族の言葉、訪問看護やケアマネジャーが持つ情報を拾い、医師や多職種へつなぐ。悠翔会在宅クリニック北千住では、診療同行看護師を患者さんを中心に情報をつなぐ「HUB」と捉えました。
ただし、「診療同行看護師=HUB」が唯一の答えではありません。拠点の歴史、地域性、職員構成、診療体制、患者さんのニーズによって、求められる役割は変わります。

 

今回の症例から得られた標準化できる視点は、患者さんの表面的な言葉だけでなく、その背景にある価値観や葛藤を拾うこと。それを家族・医師・多職種へつなぐこと。そして「看護師だから何をするか」ではなく、「この患者さんとチームに今、何が必要か」から役割を考えることです。

ページ先頭に戻る