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処方の先へ──薬剤師の力が自然に立ち上がるとき/村林 亮(悠翔会在宅クリニック柏、院長・副理事長)

■在宅医療の究み■

 

最近、身近にいる薬剤師の関わりの強さ、深さに感激する場面が増えている。
今も時折、元外科医の仮面をかぶっている私は、内科処方全般が不得意であるという空気を、あえて隠さずに薬剤師に向けている。
最初のうちは控えめだった薬剤師の皆さんも、しばらくすると利尿剤変更の提案、ポリファーマシーに対する減薬の順序、心不全再燃を避けるための処方案など、具体的な意見を自然に出してくれるようになった。いずれも非常にありがたい。

 

施設診療に同行する薬剤師とは、DO処方が本当に適切なのか、その都度意見を求めている。減薬や変更によって状態を乱してしまった経験もあるが、漫然と続けることが正解ではない場面も多い。むしろ悪くしていることすらある。
処方に関することだけにとどまらない関わりをしてくれる方もいる。誰よりも詳しい病歴や生活背景、患者さんやご家族の性格までを共有してくれる方。家族対応のキープレイヤーを自然に担ってくれる方。創処置に前のめりで関わる方もいる。居宅初診に時間を合わせ、膨大な残薬整理をその場で終え、即座に報告してくれることもある。

 

以前は、訪問薬局に対して迅速・確実といった利便性を求めていた部分が大きかった。今は、薬剤師の本来的な役割に加え、こうしたプラスアルファの存在感を強く感じている。

 

一般に、薬剤師が医師に対して様々なハードルを感じていることは承知している。だからこそ、こちらから働きかけ、意見を求めることには意味がある。
専門でない領域を知ったかぶりをせず、その道の専門家の力を借りる。頭の中に化学式が常にある人たちの力を借りない手はない。

不得意なことをさらすことで、専門性は自然と前に出てくる。
そうした場が整ったとき、多職種連携は単なる「役割分担」を超え、患者さんの最善に向かう力になる。
今後も薬剤師の力をいただきながら、よりよい診療を続けていきたい。

 

村林 亮(悠翔会在宅クリニック柏、院長・副理事長)

※本記事は、2022年7月28日に「診療満足度調査レポート」サイトに掲載したコラムをもとに、内容を一部加筆・再編集してお届けしました。

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