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人生の最終頁に立ち会うということ/鈴木 優太郎(悠翔会在宅クリニックみもみ、院長)
■在宅医療の究み
訪問診療は、その人の人生におけるほんの一部にかかわる仕事です。
それは時として、人生の最期かもしれません。
その瞬間に何かしらの運命でつながり、立ち会う機会をいただきます。
この世に生を受けてから、それぞれが歩んできた道。
良いことも悪いことも、楽しかったことも苦しかったことも、同じ道は一つとない、その人だけの道。
そんなひとりの壮大な物語の最終頁に、私たちはかかわることがあります。
これまでの物語の流れに沿って、その人が、その周りの人々が、納得できるかたちで人生という名の物語を締めくくることができるように、そっと支える。
最期の時間を、それぞれがさまざまな思いを抱えながらも、その人らしさの中で見守ることができるように、そしてあたたかく看取れるように、かかわる。
生と死は、誰にとっても一度きりの経験ですが、医療の現場で、それを幾度も目にしていると、時に、慣れてしまいそうになることもあります。
けれど、かけがえのない大切な一度きりの最期、これまでの人生への敬意と、支えてきたすべての人への労いの言葉として、「お疲れさまでした」と必ずお声をかけるようにしています。
旅立っていく本人自身が、その最終頁を読み終え、そして物語全体を振り返り、納得できたとすれば、それは、わたしたちの大切な役割の一つなのだと思います。
どの物語の最期でも、その重みを忘れずに、「お疲れさまでした」を心から伝えられるよう、常に丁寧に向き合うことを忘れずに、これからも地域の皆さまを訪ねていこうと思います。
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鈴木優太郎(悠翔会在宅クリニックみもみ、院長)