ニュースレター

【速報】「賃上げ」か「適正化」か!? 2026年診療報酬改定の全貌と、現場が直面する3つの変化

■在宅医療ペディア

 

ついに判明! 2026年改定の「光と影」
中央社会保険医療協議会(中医協)より発表された個別改定項目から、在宅医療(医科)に大きな影響を与えるポイントをピックアップして解説します。全体としては「物価高騰・賃上げへの配慮」と「制度の適正化」のバランスをとった改定といえそうです。

 

1. 「ホスピス型住宅」への大ナタ:包括払いの導入
今回最も注目すべきは、高齢者住宅等に併設・隣接する訪問看護ステーションに対する「包括型訪問看護療養費」の新設です。これまでの出来高払い(訪問回数や人数に応じた積み上げ)ではなく、患者数や訪問時間に応じた包括評価となり、過剰な訪問による収益モデルには厳しいメスが入ることになります。一方で、通常の訪問看護療養費は、物価高騰を踏まえて評価が引き上げられます。

 

2. 栄養剤(ONS)は「全面禁止」を回避
在宅医療現場で懸念されていた「医薬品栄養剤(ONS)」の処方制限ですが、最悪のシナリオは回避されました。「手技後の患者」や「経管栄養」に加え、「病気のために他の食事では代替できないなど、医師が医学上の必要性があると判断した患者」については、処方箋及びレセプトに理由を記載することで保険給付の対象となります。ただし、漫然とした処方は認められないため、これまで以上の丁寧なアセスメントと記録が求められます。

 

3. 医療DXと賃上げ支援の「ベース化」
これまで加算として評価されていた「医療情報取得加算」と「医療DX推進体制整備加算」が廃止となり、代わりに「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設されます。「初再診料・訪問診療料」は、物価高の影響によりプラス改定となり、「物価対応料」が新設されます。
また、賃上げ促進のために「ベースアップ評価料」がプラス改定となります。加えて、対象職員の要件が“主として医療に従事する職員(医師及び歯科医師を除く)”から、“当該保険医療機関において勤務する職員”へと拡大されます。

 

4. 現場オペレーションへの影響
• BCP(事業継続計画)の策定必須化:経過措置が終了し、2026年3月31日までに策定していない場合、機能強化型在支診の届出ができなくなる可能性があります。
• 常勤要件の緩和:常勤職員の所定労働時間数の基準が、週32時間から31時間に短縮されます。
• 長期収載品の選定療養:患者希望により長期収載品(先発品)を使用する場合、患者負担額が増加する仕組みが導入されます。

 

今回の改定は、まじめに地域医療に取り組む事業者にとっては「守り」を固めつつ、適正な運営を促す内容となっています。詳細は随時アップデートしていきます。

 

※本記事は、中医協資料および法人内速報資料「2026年診療報酬改定_速報版(医科)」を基に作成しています
ページ先頭に戻る