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その人らしさを大切に、これからもチームで支えるケアを/河辺 いづみ(看護小規模多機能型居宅介護もりや、介護福祉士)
■となりのゆうとくん
ー一看護小規模多機能型居宅介護もりや(以下、看多機もりや)での仕事について教えてください。
訪問介護、施設内での介護、レクリエーションの運営、食事の準備、買い出しなど、さまざまな業務を行っています。利用者さんのご自宅と施設内での業務の両方があるため、始業前にまず1日の予定を確認し、仕事の全体を把握してから担当業務を始めるようにしています。夜勤スタッフからの申し送り、利用者さんのご家族からの情報のほか、サービスにあたっているスタッフが、全体で共有したほうがよい情報を随時入力する情報共有ソフトの内容も確認しながら働いています。
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ーー介護の仕事は長く続けているのですか?
結婚を機に都内から守谷市の隣の取手市に移り住み、そこでホームヘルパーとして10年ほど働いていました。
介護職に就いたのは、脳梗塞の後遺症のある義父の家に、ホームヘルパーさんが入るようになったことがきっかけです。それまでは専業主婦として子育てに専念していましたが、ホームヘルパーとして家事で人を支える方法もあると知り、資格を取得することで家族の力になれればと考えました。
その後、義父は別の病気も患い、家に帰りたいという望みを叶えてあげられないまま、最後は病院での看取りとなりました。家族の介護を経験し、家族それぞれに大切にしている思いがあり、その思いをすり合わせていくことの難しさを実感してきました。家族だからこそ、抱え込んでしまうこともあるのではないかと感じています。
2020年、介護福祉士の資格を取得しました。
ーー悠翔会に入職した経緯を教えてください。
2016年10月、あおいけあの加藤忠相さんが登場されたNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に大きな衝撃を受け、小規模多機能型居宅介護(以下、小多機)に興味をもちました。2024年春、私はホームヘルパーとして利用者さんにかかわれる範囲に限界を感じ、もどかしさを感じていました。子どもも成長したので、非常勤ではなく常勤として、近隣で働ける小多機がないかと探していたところ、看多機もりやが開設されたと知ったのです。看多機について調べると、サービスを柔軟に組み合わせて利用者さんやご家族のサポートができることや、医療的なケアも提供できることがわかり、とても惹かれました。
Instagramを見てみると、利用者さんと一緒に野菜を育てたり、施設内で動物と触れ合ったりと、自分がやりたいと思う活動をしていたので、直接電話をして見学を申し込み、のちに面接を受けることになりました。
“看多機”であることに惹かれて見学を申し込んだため、悠翔会については何も知識がありませんでした。後日、佐々木淳理事長のSNSで、理事長が加藤さんとつながりがあることを知り、採用が決まったときは、何かのご縁でつながれたのかなと、とてもうれしく思いました。
ーー実際に働き始めてからは、どうでしたか。
それまでの仕事より業務の範囲が広く、利用者さんと日々をどう過ごしたらよいかと落ち込むことも多くありましたが、同僚はみな優しく、働きやすい環境です。ご縁があってつながれた職場なのだから、きっと大丈夫だと思いながら、日々学びつつ働いています。
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ーー看多機では、これまでと違い、看護師と一緒に働くことになりましたね。
これまでの仕事では、接点がそれほど多くはありませんでしたが、今は利用者さんの薬や身体に関する疑問や気づきについて、その場で聞くことができるので、とても心強く感じます。また、介護チームのメンバーそれぞれの経験や気付きを日々共有できることも、大きな支えとなっています。気づいた日々の小さな変化を伝え合い、それをケアに生かしていけることに、チームでかかわる意味を感じています。
看護師が近くにいてよかったと実感する瞬間は日々あります。例えば、入浴介助で利用者さんの肌の状態が気になったときなどは、電話で状況を説明して相談するのと、その場で一緒に確認できるのとでは、全く違います。迅速で適切な対応が、よりよいケアにつながっていると実感でき、深く感謝しています。
ーー印象に残っている利用者さんについて聞かせてください。
お一人目は、ご家族が「代々家族を看取ってきた部屋でおばあちゃんもお看取りしたい」と希望された方で、ご本人はそのお部屋で眠るように自然に亡くなられました。前職では亡くなったあとの利用者さんの元へうかがう機会はありませんでしたが、当法人に転職して初めてお看取り後に訪問し、ご家族ともお話しをすることができました。
思い出深い着物を着られて、とても安らかなお顔で眠っていらっしゃいました。チームでかかわる中で、その方のご家族の時間に寄り添わせていただけたのではないかと感じました。その一部分に携わられたことに、深い感謝の気持ちがあります。
お二人目は、今担当している利用者さんです。歩行が不安定な方だったのですが、ガーデニングがお好きで、一緒に花壇の世話をしていくうちにどんどん前向きになられ、ADLの向上にもつながっていると感じています。趣味を楽しまれている姿や、ご自宅での生活を大切にされている姿を見ると、よいかかわりができる環境があること、チームでかかわれていることに、ありがたさを感じます。
ーー仕事をするうえで、大切にしていることはありますか。
利用者さんお一人おひとりにそれぞれの歴史がありますから、その方の立場に立って言葉をかけることを大切にしています。「この人に話してみてよかった」、と安心していただける関係性でいたい。介護とは、その方の様子がいつもとは違うことや、その方の伝えたいことを、五感でも感じ取ることが大切だと思うのです。小さなサインを見逃さないよう、普段から自分の体調管理にも気を付けています。
ーー今後の目標を教えてください。
今より利用者さんも職員も増え、看多機もりやがよりにぎやかで安心できる場所になればと思います。地域交流の機会も増やして看多機に興味をもっていただき、笑顔の集まる場所にしていきたいと思っています。
看護職も介護職も、これまでさまざまな経験を積んできたスタッフが集まっています。看多機とは、利用者さんの人生に柔軟に寄り添える場所ですから、スタッフの誰もが自分の意見を述べやすい環境であることは大切です。これからも、「これを言ったら否定されてしまうだろう」「これを言ってみたいけど恥ずかしい」とは誰も思わない関係性の中で働けるとよいと思っています。
利用者さんは、スタッフの関係性をとても敏感に感じ取ります。スタッフのチームワークがよければ、利用者さんにも安心していただけると思うのです。みんなで同じ方向を目指していくことが、5年後、10年後の看多機もりやをつくっていくのではないかと考えます。
まだ至らない部分も多くありますが、目の前の利用者さんとチームメンバーと過ごす一日一日を、大切に積み上げていきたいと思っています。
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河辺 いづみ(看護小規模多機能型居宅介護もりや、介護福祉士)