ニュースレター

〈法人ニュース〉2025年業績報告会開催のご報告

2025年11月28日、医療法人社団悠翔会は、一ツ橋ホールにて「医療法人社団悠翔会 2025年業績報告・2026年事業計画発表会ならびに特別企画シンポジウム『未来の在宅医療』」を開催いたしました。

 

 

はじめに理事長の佐々木淳が、「1%」をキーワードに、2025年度の業績報告を行いました。
悠翔会が2024年9月~2025年8月末の1年間にかかわらせていただいた患者さんは、全国約100万人の在宅療養患者さんの約1%にあたります。その1%を担う法人として、わたしたちは責任を果たせているのか。この1年間に各拠点で一つひとつ真摯に向き合ってきた診療について、詳しくご報告しました。

 

診療体制では、医師189人をはじめとする医療専門職以外の職員も増え、多様化が進みました。法人本部の機能も強化しています。訪問件数は前年度より22.4%増加した一方、緊急対応の伸びは横ばいとなっており、予測的介入が患者さんの急変を抑制していると考えられます。
年間約3万600件の緊急対応は、東京消防庁が1年間に搬送した後期高齢者の約9%に相当し、地域の救急医療システムの負担軽減に貢献することができました。対応の速さについても、救急搬送と遜色のない迅速性を保っています。

 

急変と入院の回避は、わたしたちの大切な質の指標です。緊急対応件数は前年より減少しましたが、往診は増えており、これは、患者さんごとに適切なケアができた結果ではないかと捉えています。また、台湾で試行されているHospital at Homeのように自宅で急性期に対応し、在宅医療を慢性期のケアだけではない「医療」として機能させていきたいと考えます。

生産性の向上を目指すと同時に、診療と経営の持続可能性を確保することも重要です。これらの両立のために、わたしたちは、「患者さんが感じる価値の可視化」「効果的な資源投入」「地域ごとの最適化」「スケールメリットの活用」に取り組んでいくことをお伝えしました。

 

続いて4人の副理事長が、2026年度の事業計画について発表を行いました。
まず、副理事長・診療部長で、COO(Chief Operating Officer)である安池純士が、法人の基本戦略と方向性についてお話ししました。基本事業である「在宅医療をコアとした地域医療の提供」にあたり、悠翔会は「『幸せの総量』の最大化」を基本戦略とします。「幸せの総量」とは、「質」×「量」と定義しました。医学モデルと生活モデルの統合で患者さんの幸せを最大化し、それをより多くの方々に届けることで、幸せの総量が増えると考えています。

 

「質」の戦略としては、在宅プライマリケアを基本に、「緩和ケア」「食支援・栄養」「認知症・多疾患等の複雑背景への対応」を3つの柱とします。「量」の戦略としては、10%成長を堅持し、質を落とさない拡大をめざします。組織戦略として、自律自走する現場を、教育研修機能等で法人本部が支える体制としていくこと、事業戦略として、「茨城県、埼玉県、沖縄県での3つの新規拠点の開設」「訪問歯科・訪問看護の強化」「訪問リハビリテーションの開始」に取り組むことをご説明しました。

 

副理事長・CQO(Chief Quality Officer)の池邉太一(悠翔会在宅クリニック春日部院長)、副理事長・CHRO(Chief Human Resource Officer)の髙橋徹(悠翔会在宅クリニック北千住院長)、副理事長・CHO(Chief Happiness Officer)の村林亮(悠翔会在宅クリニック柏院長)も、2025年度の活動を報告し、2026年度の展望を語りました。

 

シンポジウム「未来の在宅医療」では、香取照幸さん(一般社団法人未来研究所臥龍 代表理事)と山岸暁美さん(一般社団法人コミュニティヘルス研究機構 機構長・理事長)にご登壇いただきました。
お二人の示唆に富んだプレゼンテーションに続く、佐々木も参加してのディスカッションでは、「“住み慣れた家で最期まで”は叶うのか」「未来の地域で求められる在宅医療の役割は?」などのテーマについて3人が意見を交わしました。

 

 

このシンポジウムの模様は、Peer Study https://peer-study.com/ にてご覧いただけます。
※視聴ページ:https://peer-study.com/program/369/1282
※ご視聴には有料の会員登録が必要です

大変お忙しい中駆けつけてくださいました香取さん、山岸さん、そして、現地あるいはオンラインでご参加いただいたみなさまに、深く感謝申し上げます。

基本理念である「かかわったすべての人を幸せに」の実現に向け、わたしたちはこれからも実践を続けてまいります。

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