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〈となりのゆうとくん〉より相談しやすい地域の“居場所”を目指し クリニック外での出張開催も開始 ~約1年目を迎える「暮らしの保健室」〜 /ケアタウン小平クリニック
医療法人社団悠翔会ケアタウン小平クリニックでは、2025年2月より暮らしの保健室を開催しています。1月11日には、暮らしの保健室の創始者である秋山正子さんをゲストにお迎えし、名誉院長の山崎章郎先生、院長の鈴木圭と共にオープニングイベントを開催しました。

1992年から訪問看護に取り組んできた秋山さんは、医療や介護が必要となる前から、ちょっとした悩みを気軽に相談できる場所をつくりたいとの思いで、2011年、高齢化の進む巨大団地の一角に暮らしの保健室を開設されています。イギリスで生まれた「マギーズ・キャンサーケアリング・センター」をヒントとしながらも、相談できる疾病をがんに限定しない同保健室は、実際に地域の“居場所”ともなっていきました。いまでは全国に100を越える暮らしの保健室がありますが、古くから秋山さんと交流のある鈴木の強い想いで、ケアタウン小平クリニックがその仲間に加わることになりました。
オープニングイベントから約1年、ケアタウン小平クリニックでは、毎月第二土曜日の午後に、暮らしの保健室を開催しています。院長の鈴木に、これまでの取り組みや今後について聞きました。
ーー保健室の様子を教えてください。
毎回、5~7名程度の来訪者があり、常連の利用者もできて、賑わいをみせています。スタッフとして参加してくださるボランティアの方は、薬剤師、民生委員、介護福祉士など多彩な顔ぶれで、毎回2~3名が力を貸してくださいます。ウクレレが得意な方がおり、お茶や持ち寄ったお菓子で、楽しく、ときに真面目な話をする場を、音楽で盛り上げてくださることもあります。

新しい企画も続々と出てきています。10月の、介護美容を専門にするメイクアップアーティストの方をお招きしたハンドマッサージ企画は大好評で、新規の参加者も増えました。今月は、第二弾「今の私にあった眉メイクを学ぼう」を行う予定です。
毎月発行している『暮らしの保健室通信』には、次回の開催予告のほか、患者さんや地域の方に知ってもらいたいことを綴った院長コラムや、薬剤師さんによるQ&Aを掲載しています。
ーーオープニングイベントで山崎先生が構想をお話しされていた、先生を囲む語らいの時間「カフェふーちゃん」も開催されたそうですね。
これまでに3回開催しています。7月の開催時には、ボランティアの方を対象にしたミニ勉強会を行いましたが、参加者から、「がんと言われたらどうしたらいいか」「セカンドオピニオンについて教えてほしい」などの質問が飛び交い、豊かな学びの時間となりました。
ーー暮らしの保健室から、クリニックの在宅医療に結びつく場面もありそうです。
常連の利用者の方から、独居のがんのご家族についてご相談を受け、当院でお看取りしたケースもありました。初診からわずか1週間でご逝去されましたが、家族みんなでお看取りができたと、感謝の言葉をいただきました。
クリニックで看取ったがん患者さんのご家族が、顔を出してくださることもあります。正式な遺族会の活動は別に行っていますが、ご遺族にとって、気軽に立ち寄れる日常的な場があることも大切だと感じています。

ーー今後は、保健室の出張開催も計画されていますね。
少しずつ知名度も上がっているようで、地域の方から「出張をお願いしたい」との依頼をいただくようになりました。第1回目は、今週末、都営住宅の集会所で行います(下記参照①)。独居の方が多く、最近孤独死された方があったとのことで、自治会長さんからご相談を受けました。
11月29日には、小平市と国分寺市の境にあるけやき公園で開催される、地域の方々との交流を目的としたイベント「ふらっと けやき公園」に出張します(下記参照②)。お茶をお出しし、クリニックの看護師が血圧測定などを行いつつ、保健室を知っていただく活動をしてきます。
クリニックで患者さんを待っているだけでなく、こちらからも積極的に地域に飛び出して、暮らしの保健室のつながりを広げていきたいと思っています。

①
日時:2025年11月9日(日)10:00~12:00
場所:武蔵野団地集会所(東京都小平市鈴木町1-364-12)
②
日時:2025年11月29日(土)10:20~15:00(予定)
場所:けやき公園(東京都小平市上水本町6-22-2)
イベント名:ふらっと けやき公園